お知らせ

年金2000万円問題について書きたくなったので書く。

先日、ジムで筋トレしていると、

テレビのワイドショーで

例の2000万円問題をやっていた。

 

年金2000万円足りない!

というアレだ。

 

テロップには

『2000万円』

という数字が赤文字で切り取られている。

 

僕はアブドミナルクランチで腹筋を

絞りながら、

 

まだ言ってんのかよ…

 

と思う。

 

まぁ参院選も近いしね。

確かに年金を含め社会保障の問題は、

国民の大きな関心ごとだ。

僕ら現役世代にとっては特に

そうかもしれない。

 

しかしどーにも、この、

『2000万円』

という数字だけが、今だにひとり歩き

している気がする。

 

ことの発端となった金融庁の報告書、

最初にこれを知った時の僕の感想は、

 

「いやいや、そんなの分かってたことでしょ。何を今さら。」

 

そう思った人は少なくないはずだ。

 

ところがこれをマスコミが、

確か第一報は朝日新聞だったと思うが、

 

老後は2000万足りない!

 

とそこだけ強調し、国民の不安を

煽るかたちで報道した。

 

…まぁ、参院選も近いしね。

マスコミのいつものやり口だ。

 

またつまんねーとこで騒いでんな〜

と思っていたら、

あれよあれよという間に大炎上。

デモまで行われる始末。

 

プラカードにはこう書いてある。

 

『生活できる年金払え!』

 

デモに参加した人はインタビューに

こう答えていた。

 

「もう35歳だし、転職も難しい。今から2000万貯めろと言われても…。政府は無責任だと思い、いてもたってもいられず今回参加しました!」

 

バカ丸出しだ。

 

意図的なキリトリ報道で世論煽動する

マスコミもクソだと思うが、

それに踊らされてあんなトンチンカンな

プラカードを掲げるヤツもアホだ。

 

デモに参加する彼らはあの報告書について、

自分でちゃんと調べたのだろうか?

年金とはどんなものか理解してるんだろうか?

現状で自分が大体いくらもらえるのか

把握してるんだろうか?

 

たぶんその辺が全然分かってないから

あーゆーバカなデモに参加するんだろう。

いてもたってもいられないならまず

そーいったところから自分でちゃんと

調べた方がいい。

 

発端となった例の報告書を

もちろん僕も全文読んだわけではないが、

あれの主旨は

 

『実は老後は2000万円足りないことが発覚しました!』

 

ではない。

ざっくり言うと

 

「現状で老後はこの程度の年金支給額になりますから、そのつもりでいましょうね。それなりに豊かに生活しようと思ったら、それ相応の準備がいりますよ」

 

という、

もう10年以上前から分かりきったことを

改めて報告したにすぎない。

 

そしてあくまでその〝一例として〟

詳しい設定は忘れたが、

厚生年金に加入する平均的な共働き

世帯を引き合いに出し、

彼らが老後も現役時代の生活水準を

ある程度保った生活をしようと

思ったら、

 

『2000万円くらいいるよね。』

 

って言う話だ。

あくまで一例だ。

 

これを聞いて一律に、

 

「2000万ないと生活できない!」

「2000万も貯められないから飢え死にするしかないのか!」

 

とか思う方がバカだ。

冷静になれと僕は言いたい。

飢え死にはしない。

生活保護があるから。

 

例えば、国民年金だと40年間きちんと

納付した場合、今だとだいたい

月額65000円もらえる。

夫婦2人で月13万。

持ち家もあれば、

これで十分生活できるという人も

いるだろう。

あくまで1つの例として、

月26万の生活をしたかったら

月5万足りないよね。

定年が60歳だとしてその後30年くらい

生きるだろうから、

ざっくり計算して2000万足りないよね。

というだけの話だ。

年金だけでは生活できない

とは一言も言っていない。

 

収入も金銭感覚も、

価値観も人生観も、豊かさの定義も

人それぞれ違う。

それによって老後必要な額は違う。

当たり前だ。

現状がこんなだから、

皆さんそのつもりでよろしく。

という提言にすぎない。

その上で自分にはいくら必要で、

そのためにどうすべきかを

きちんと自分自身でまず考えるべきだ。

2000万円じゃ全然足りない人だって

たくさんいる。

 

 

こう言うと、

 

「年金だけで生活できなくなる可能性があるのは事実じゃないか!国は何やってんだ!生活できる年金払え!」

 

という声が聞こえてきそうだ。

こういう人は年金や社会構造の変遷に

ついてリテラシーがなさすぎる。

 

国は最初から、

 

「老後は年金で生活できますよ。」

 

とは言ってない。

野党ですらそんな事は言わない。

そもそも年金は最初から、

老後の生活全てを賄うものとして

定義されていないから当たり前だ。

 

つまり年金とは、

あくまで老後を支える柱の1つに

すぎない。

 

「でもじーちゃんばーちゃん世代は年金で十分生活できてるじゃないか!僕たちができないなんておかしい!」

 

それは高度経済成長期に日本の人口が

増え続け、

経済も右肩上がりに成長を続けていた

からだ。

 

年金制度は賦課方式といって、

その時の現役世代が払う保険料で、

その時の高齢者を養う仕組みに

なっている。

年金が、

『現役世代からのじーちゃんばーちゃんへの仕送り』

と表現されるのはそういう意味だ。

経済が成長し続けていた時代は

みんなの所得も増え続けていた。

おまけに人口もうなぎ登りに増えて

いたから、1965年くらいには

9人で1人の高齢者を支えていた。

高齢者にちょっとくらい

いい生活をさせていても痛くも痒くも

なかった。

 

しかし今は全然状況が違う。

 

経済成長は頭打ちになり、

しかも人口は減る一方だ。

少子高齢化は歯止めがかからず、

2050年にはなんと1.2人で1人の

高齢者を支える計算になる。

もらえる仕送りが減るのは当然の

ことだ。

 

だって賦課方式なんだから。

そういう仕組みなんだから。

 

「国は何やってんだ!」

 

そう思う気持ちも分かる。

人口動態なんてものは正確に予測できる

ものだし、

こうなることはかなり前から分かっていた。

本当はどこかで抜本的な改革をすべき

だったが、

今となってはそれも相当難しいと思う。

年金問題という地雷を踏みたくなくて

経済成長と人口の増加を前提に

成り立っていた年金の仕組みを

そのまま放置し続けた。

利権や既得権益も絡んだ難しい問題だが、

国のいちばんの失敗は、

 

きちんと国民に説明してこなかったこと

 

これに尽きると僕は思う。

 

「みんな勘違いしないで欲しいんだけど、年金制度とは本来こういうもので、今まではそれで良かったんだけどこのままいけばこうなります。」

 

ということをちゃんと説明して

こなかった。

それをしてこなかったのは、

臭いものにフタをし続けた結果だ。

年金問題という地雷を踏めば、

国民がギャーギャー騒ぐ。

だから問題を先送りした。

大きな地雷になる前から、

勇気を持って根気強く説明し続ける

べきだった。

 

野党も年金問題は燃えると分かっていて

今回みたいにいたずらに国民の不安を

煽り、政局に利用してるだけで

結局、何も対案は出せていない。

仮に政権交代しても、

あの時と同じ様に何も出来ないと

僕は思う。

 

ここで政治について語るつもりはない。

 

僕たち国民がまずしなければ

ならないのは、

まず知ることだ。

自分の生活、人生をもっと真剣に考え、

それを支えるべき国の仕組みに

ひとりひとりが関心を持つことだ。

 

日本は『自助』の国だ。

つまり、

 

自分の人生、生活は自分で責任を持つ

 

というのが大前提であり、

その上で『公助(社会保障)』がある。

 

日本が、と言うより、

それが民主国家の基本だ。

 

僕が言いたいのは

国どうこうの前に、

国にオンブに抱っこで何とかなるや

と考える前に、

自らの人生、生き方をひとりひとりが

もっと真剣に考えようよ。

ということだ。

 

そこからスタートして、

じゃあ国は…ということになる。

それが積もり積もって建設的な

世論が形成される。

 

 

戦後の高度経済成長を駆け抜けて、

日本は平和と豊かさを手に入れた。

僕ら今の日本人はその平和と豊かさに

耽溺し、

まるでこれが永遠に続くかのように

今だに思っている。

 

しかし、何となく生きていれば

皆と同じ様に何とかなる、という

時代は終わったのだ。

それは何も政治だけのせいじゃない。

 

「平和だし、何となく豊かだからいいや。」

 

で過ごしてきた平成の30年の間に

大きなパラダイムチェンジが

起こり始めたことに、

多くの人が気付いていない。

そろそろ僕たち日本人はこの平和ボケから

覚醒するべきだ。

 

政治とか経済とか、

大きなことを言ってるんじゃない。

まず、ひとりひとりが

自分を真剣に見つめること。

自分の人生と真剣に向きあうこと。

そこからスタートだ。

 

 

「偉そうに言いやがって、オマエはどーなんだ!」

 

と皆さん思うかもしれない。

 

このテーマは次回、

もう少し掘り下げてみたいと思う。

 

将来を見据えて僕が考えていること、

実践していることを紹介し、

さらに皆さんに問題提起したい。

 

僕は年金に殊更詳しいわけでもなければ

政治家でもない。

稚拙な意見だと思う方もいらっしゃる

だろうが、それでいい。

 

1人でもいい。

ただ、誰かの、

考えるきっかけになってくれれば

それでいい。

 

特に若い人に読んで欲しい。

 

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