静脈内鎮静法
どーも僕です。
エグゼクティブ院長、松下です。
夏も終わりますねー。
皆さん今年の夏はいかがでしたか？
解放的になりがちなこの季節、刺激的
な出会いはありましたか？
僕にとってこの夏いちばんの思い出は、
サマーナイト花火大会でもキャバクラ
のおねーちゃんとの出会いでもなく、
A君との出会いでした。
自閉症児のA君（10）は8月の初めに
患者さんとしてうちに来られました。
他院に通院していたが中々治療
させてくれず、やむなくムシ歯の
進行止めの薬を塗ってやり過ごして
いたとの事。
元気が良くて愛されキャラのA君、
実際お会いしてみると‥
まーよく動くこと^_^;
超元気。
しかも怪力。
何とか口の中は見せてくれましたが、
これではさすがに治療は難しいかも‥(ーー;)
しかし口の中は思った以上に深刻な
状況でした。
見た限り早急に治療が必要な歯が
少なくとも2本ある。
これは近い内に痛みが出てくるだろう。
進行止めの薬なんか気休めにしかならない
レベルだし、トレーニングとか悠長な
ことやってる段階でもない。
しかも大きなムシ歯は全て永久歯。
絶対抜歯にはしたくない。
手をつけるなら今しかない。
何とかしてあげたい‥。
そうだ！
あのお方なら何とかしてくれるかもしれない！！
紹介しよう。
元鹿児島大学病院助教授、
現在国立病院都城医療センター
麻酔科医にして横山全身管理センター
代表、講演活動、論文執筆実績も多数
あられる麻酔のスペシャリスト、
横山幸三先生その人である！
歯科医療には静脈内鎮静法というもの
があります。
プロポフォールという薬によって
殆ど意識のない状態まで鎮静して
治療を行う方法です。
患者さんは治療中の事はほとんど
覚えていないので、手術の全身麻酔
に近いです。
認知症や障害があり、治療が必要だが
協力的でない方、心臓病や高血圧など
全身疾患があり外科処置にリスクが
高い方、歯科恐怖症の方等が適応に
なります。
専門的な知識と技術、経験が必要なので
一般の歯科医院ではあまり取り入れて
いませんが、こういう時のためにウチ
は横山先生と連携しています。
先生に相談したところ、問題なく
いけるだろうとのこと。
A君の親御さんには、大学病院での
全身麻酔という方法も併せてご説明
したところ、当院での静脈内鎮静法
による治療を選択されました。
処置内容は永久歯4本の治療と乳歯
3本の抜歯。
しかも2本は神経の治療から充填処置
までしなければならない。
患者さんの負担を考えるとこれら
全てを1回で終わらせてあげたい。
麻酔と全身管理は横山先生にお任せ
していれば安心だ。
あとはおれ次第か。
リスクはあるが‥やるしかねえ。
筋肉痛が取り切れていない日に
デッドリフトをやる時のような
緊張感が僕の中に走る。
この感覚、久しぶりだぜ。
迎えた当日の朝、
モニターとプロポフォール
点滴と酸素も用意して‥
準備は万全。
ところがA君、元気すぎてなかなか
薬が効かない 笑
しかも点滴も取りにくい。
しかしそこはさすが横山先生、
ばっちり眠らせてくださいました。
A君完オチ^_^; よーしここからは時間との勝負！ 何かあった時のために井手もスタンバイOK よーし、やったるでぇ～ というわけで2時間半かけて全ての 処置を無事終了。 レントゲンもない悪条件の中、 我ながら良くやったと思います。 疲れたー＿|￣|○ でもやって良かった。 デッドリフト‥じゃなかった鎮静処置。 あとは麻酔がきれて痛みが出ない ことを祈るのみ。 1番頑張ったのはA君だな。 ほんとに良く頑張った！ ってまだ寝てる 笑 その後すぐ覚醒して何事もなかった かのように元気に帰っていきました。 次の日念のため来院してもらいましたが 痛みもなくいつもどおりだったとの 事で、ホッと胸を撫で下ろしました。 障害者の方の静脈内鎮静下処置。 僕にとっても初めてでトライアル なケースでしたが、非常に良い経験 になりました。 A君からは本当に貴重な学びの機会を もらったと思います。 何より、あの大きなムシ歯を治せて よかった！ これからもずっと彼の口の中を 管理していけたらいいなと思います。 横山先生に感謝です！！ 本当にありがとうございましたm(__)m ※撮影・掲載は患者様の同意の元
行っております。
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