歯周組織再生医薬品リグロス
「これは革命が起こるかもしれない…」
10月12日大阪での勉強会のあと、
興奮冷めやらぬ思いで僕は地下鉄に
揺られていた。
今日の勉強会は、世界初となる歯周
組織再生医薬品『リグロス』を開発
した、大阪大学教授、村上伸也先生の
特別講義でした。
ちなみにテレビでも紹介されてました。
リグロス。
先行して勉強してきた土岩から話は
聞いていましたが、これほどとは…
歯周病とは、細菌の感染によって歯を
支える骨(歯槽骨)を失う病気です。
進行すると歯がグラつき、抜け落ちて
しまいます。
その進行を抑え、安定した状態に
持っていくことが治療の中心となり
ますが、失った骨を回復することは
容易ではありません。
リグロスは、歯周病により失った
歯周組織(歯槽骨・歯根膜・セメント質)
を再生する薬です。
しかも保険適用医薬品。
ここが大きなポイントで、従来も
歯周組織再生の材料はありましたが、
もちろん保険適用外。
費用も高額になるため患者さんにとって
はハードルの高い治療法と言わざるを
得ませんでした。
リグロスの登場によってより多くの
患者さんが再生療法の恩恵を受ける
ことが期待できます。
もうひとつは、医薬品として国の認可
を受けているということ。
医薬品の認可は、特に日本ではハードル
が高く、厳しい臨床治験をクリアしなけ
ればなりません。
実際村上教授は研究、開発に25年を
費やしたそうです。
このハードルを越えてきたことが、
一定以上の安全性と効能を担保して
いると言えるでしょう。
もうひとつ、我々歯科医師側が最も
気になる、従来の類似材料と比較して
どうなのか?という点。
現在再生療法に最もよく使われ、かつ
安全性、信頼性が確立されている材料
としてエムドゲインというものが
あります。
このエムドゲインとの比較試験において、
リグロスは優位性が証明されています。
もちろん新薬なので、臨床的判断は
まだまだこれからです。
しかし少なくとも研究レベルでは
従来類似材料以上の効果が期待できる
と言えるでしょう。
そして何より再生療法の門戸を広げる
可能性を秘めていること。
この点はかなり大きい。
歯周治療していて、保険治療だけでは
どうしても限界を感じることは多い。
ここに骨が作れたらなぁ…
と思うことはよくあります。
再生療法はこれからの歯周治療の
主流になると思います。
リグロスの登場がそれをさらに加速
させる起爆剤になるのではないかと
期待しています。
きらりデンタルクリニックでも実際に
開発した製薬会社の方をお招きし、
導入準備を進めます。
少しでも多くの歯周病に苦しむ人が
救われれば…
興奮で今夜は寝付けそうにありません。
筋トレして一旦落ち着きます。
おやすみなさい。